2024年 今年の音楽 / 新譜:総合

Jazz中心。メインストリームのRockやR&Bも聴いていなかったわけでもないのだが案外印象に残らなかった。

Meshell Ndegeocello 『No More Water: The Gospel Of James Baldwin』

これジャンルとしてはJazzで括っていいのかな?Black Musicと括るべきかなあとも思う。複数の声が撚られて重層的なメッセージに変化していく。今年同じくリリースしたSun Raトリビュートも必聴。


Julius Rodriguez 『Evergreen』

上記のMeshell Ndegeocello盤にも参加していたJulius Rodriguezのセカンド。いつの間にか西海岸に引っ越していた様子で少しリラックス感がある。こちらが本来の姿なのかもしれないが個人的な好みで言えば前作のしなやかな強さを求めたいところ。


Immanuel Wilkins 『Blues Blood』

こちらもMeshell Ndegeocello関係、Meshellはプロデューサーを務めている。こちらも声の力が強調されておりいまのBlue Note Jazzの一潮流を窺われる。


Out Of/Into 『Motion I』

Blue Noteの85周年記念バンド。期間限定のライブバンドだと思っていたがアルバムをリリース。今年アルバムを出していたJoel Rossも確かに良かったが、なんと言ってもこの盤はImmanuel Wilkins。清らかな演奏でこれもまた現代Jazzのひとつの形なのだろうなあと感服。

Kamasi Washington 『Fearless Movement』

相変わらずボリューム感満載の新作。巧みな作曲は相変わらず、恒例のカバーは今回Zappの"Computer Love"も良かったが、ピアソラの"Prologue"という意外な締め方も良し。


Keyon Harrold 『Foreverland』

キャリアの割にリーダー作は非常に少ないKeyon Harroldの新作。浄化というキーワードがよく似合う素晴らしいアルバム。


Nik Bärtsch's Ronin 『SPIN』

ついにECMを離れたNik Bärtschの新作。ベースがJeremias Kellerに交代し低音の厚みを増していること、これまでになくShaのアルトが前に出てきており面白いことになっている。

今年始めにNik Bärtsch's Ronin Rhythm Clan名義の大編成で『Moonday』が出ていたけどこちらは10年前、2014年の演奏で今のモードとは異なるものの、普段の編成とは異なるFunk感増量の演奏でこれはこれで面白く頻繁にリピート。


London Grammer 『The Greatest Love』

安定の4枚目。なかなか日本では話題に上らないグループだが毎回名作アルバムなのでもっと跳ねて欲しいと思ったり思わなかったり。


Ghostly Kisses 『Darkroom』

カナダのSSWによる2nd。ボーカルもトラックもさらに完成度が上がっており大変好みの質感。いま見たらLondon Grammerの制作に係わっているGeorge FitzGeraldがプロデューサーにクレジットされてた。へへえ。


LAUSBUB 『ROMP』

北海道の電子音楽ユニット、フルアルバムとしてはこれが1stのはず。ここ最近の日本の音楽、内に閉じている傾向を感じており今の自分とは真逆なので噛み合わず繰り返し聴こうとはならないのだが、この人達は外に出ていく熱量が高くてとても良かった。


パソコン音楽クラブ 『Love Flutter』

そういった意味ではこちらもオープンな精神性がそのまま制作に現れていて非常に良かった。元々は感性に振り切ったユニットだったと思うが相当考え抜いていることがわかる現在の姿も素晴らしい。


Note 『Impressions Of A Still Life』

Drum & Bassは今年も掘り続けていた。こちらはLenzman主催のThe North Quaterから。まあ曲調としてはDrum & Bassの王道一直線というわけではないのだが。


BCee 『These Are The Days』

アルバムはこちら。相変わらずハイペースでシングル出しつつアルバムも。全篇歌もの、付き合いの長いひとから新人まで幅広いコラボレーション。実にタフだなあと思う。


Hybrid Minds 『Tides』

ラストもDrum & Bass。かなり久しぶりのアルバム。独立してからのHybrid Mindsはシングル中心のリリースだったのだが流通ルートが狭い上にBandcampもやっていないのでなかなか入手しづらかった。しかしなんとこのアルバム、どういうわけかフィジカルでリリースされていてタワレコで入手した。いまどき珍しい。こちらもほぼ全篇歌もの。品質は最高。