2020年 今年の音楽 / 新譜:総合
海外
Becca Mancari 『The Greatest Part』
女性SSWは色々聴いたけど、一番印象に残ったのはこちら。シリアスだが前向きな明るい音楽だと思う。
Marius Neset & Danish Radio Big Band 『Tributes』
いわゆるラージアンサンブル、こちらは作曲編曲ともにユニークで面白かった。メカニカルな音楽だと思うが充分にエモーショナル。挾間美帆は指揮のみだが彼女の音楽と親和性は高いと思う。納得。
Tiago Frúgoli Ensemble 『Casa』
ブラジルの鍵盤奏者のバンド。Ensembleというほど編成は大きくない、というかむしろ少人数なんだけど豊かな音楽。南米発でこんな幽玄の響きが溢れてくるとは思わなかった。ちょっとすごいことになってます。
Manuel Valera New Cuban Express Big Band 『José Martí En Nueva York』
キューバ人ピアニストのNY録音。全篇ボーカルをフューチャーしているけどアンサンブルの厚みが圧倒的。
Richard Spaven & Sandunes 『Spaven x Sandunes』
今年もUKジャズは大豊作だったけど一番良かったのはこれ。まあ「これジャズか?」と問い詰められると確かに境界線が難しい気持ちになるのは事実なんだけど。
GoGo Penguin 『GoGo Penguin』
セルフタイトルとは大きく出ましたね。音色はこれまでよりもアコースティック感が強いが全体的な質感はやっぱりエレクトリックという。意外と頑固な人達なんだろうなと思った。
Mammal Hands 『Captured Spirits』
こちらも待望の新作。ほとんどのUKジャズ勢はヒップホップやクラブミュージックに対峙するアプローチに特徴があると思うが、Mammal Handsはあまりそういった気配がない。ミニマルではあるし演奏をカットアップするあたりは面白いが現代音楽に起因するような気がする。新作も相変わらず。
The Midnight 『Monsters』
まったく予備知識がなかったんだけどこの人達EDMなんですね。旧作聴いたら確かに陽性の音楽だった。このアルバムは突然変異なのかな、沈み込むエレクトロでとても良かった。
Carl Craig & Moritz von Oswald 『Attenuator』
デトロイトとベルリンのお友達コンビの久しぶりの共作。おっと久しぶりどころか12年振りか…。まったくブランクを感じさせないどころか無茶苦茶ハイクオリティ。
日本
同じ2020年リリースでも前半と後半では結構印象が異なる。
2021年も引き続きみんな閉塞感をパッケージ化したがるだろうが、経済状況はもっとシビアになっていくので追いつかないだろうなと思う。
DATS 『School』
全然リリースに気づかなかった3rdアルバム。メジャーでフィジカルなしの配信オンリーって…。大丈夫かソニーさん。
正直これまでのアルバムはぼんやりしていてイマイチだったけど、これは凄く良い。ようやく突き抜けた感がある。
雨のパレード 『Face to Face』
1月リリースの『BORDERLESS』に続き年末リリースのこちらはさらに短めの曲がまとまっている。『BORDERLESS』で蔦谷好位置がプロデュースに入った意味はほとんどなかったと思うが、自分達だけでやっているこちらも良い面悪い面あり。そろそろ正念場でしょう。
- アーティスト:雨のパレード
- 発売日: 2020/12/23
- メディア: CD